伽藍と境内
主な伽藍
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本堂(灌頂堂)
ほんどう(かんじょうどう) -
金 堂
(こんどう) -
五重塔
(ごじゅうのとう) -
弥勒堂
(みろくどう) -
奥之院
(おくのいん) -
天武天皇の勅願により、修験道の祖である役(えん)の行者・小角(おづぬ)がこの地に初めて寺を建立したと伝えられています。奈良時代末に至り、後に桓武天皇となられた山部親王の延寿祈祷をきっかけに、興福寺の高僧・賢璟(けんけい)が勅命を受け、平安遷都まもなく弟子の修圓が堂塔伽藍を建立しました。後に空海の弟子で修圓とも親交の深い真泰が真言密教を携えて入山し、灌頂堂や御影堂等が整えられました。
春には桜、晩春には石楠花、初夏には青もみじ、秋には紅葉が平安初期の美しい伽藍を彩り、古と変わらぬ室生寺ならではの景観が広がります。
境内のご案内
鎧坂(よろいざか)
仁王門をくぐると、すぐ左手に梵字のヴァンの形をした池があります。この池には、その少し上方にある室町時代の春日造りの小さな祠に収められた河川の神・弁才天が祀られていました。その先は、自然石積みの幅広い石段の参道「鎧坂」へと続きます。石段の両脇には低木の石楠花が植えられ、それらを見守るように高木の枝々が茂っています。登り始めると石段の頂きに金堂の屋根が見えます。室生寺の序章ともいえる美しい景観です。
太鼓橋(たいこばし)
門前に連なる茶店や旅館を過ぎると、室生川の清流に朱塗りの反り橋が架かっています。「太鼓橋」と呼ばれるこの橋を渡ると室生寺の境内です。
石楠花(しゃくなげ)
毎年4月中頃になると、境内の石楠花が濃い紅色のつぼみを開きはじめます。花の色は、濃く鮮やかな紅色から薄桃色になり、白に近い色になってやがて散ります。標高約400メートルに位置する室生寺の湿気と適度な寒さが石楠花に適し、毎年見事な花を咲かせてくれます。