室生寺創建

 大和の日の出の山として古くから信仰されている三輪山の麓に、桧原神社という古社があります。ここは古墳時代の初頭、初めて太陽の神、天照大神を祀った所とされていますが、室生山はこの社の真東にあり、さらにその真東に伊勢内宮の元の社地とされる伊勢の斎宮跡があります。この東西線には、太陽祭祀にまつわる遺跡が点在していますので『太陽の道』と称していますが、室生山がこの線上にあるのは、この山が古代の太陽祭祀まつわるものであることを物語っています。

 室生寺の古い記録には、室生山には大日如来の宝珠があって、これが垂迹して天照大神になったとありますが、そうした伝承は、おそらくここが太陽祭祀の聖地であったからでしょう。そして室生寺は、この山の麓に造営されました。その一方、水神を祀る龍穴神社は、ここから約一キロ離れた谷の入り口にあって、山麓の寺と谷を祀る神社は陰陽の一対の関係になっています。

 このほか室生寺には、金堂本尊の背後にインドの太陽神である帝釈天の曼荼羅を描いた大きな国宝の板絵。寺宝には太陽神の天照大神をあらわす重文の大きな鏡、大神宮御正体などがあって、太陽信仰とこの寺の関係を暗に示しています。


トップへ